天使が舞い降りた。
俊介の胸の内を思うと苦しくて悔しくて。
だけどそれ以上に苦しんでいるのは、病室の中にいる凛。
今頃どんな気持ちで…?
考えるだけで気が滅入りそうだ。
「最後まで凛ちゃんのお母さんには許してもらえなかったの」
美紀が缶ジュースを俺に手渡しながら、病室の前の椅子に座る。
俺もその横に腰を下ろした。
「俊介くん、お母さんのところに何回か挨拶に行ったのよ」
「そう…、なんだ」
「潤くんには内緒にしてたけど」
初めて知る事実。
あの2人が今どんな状況で、この先どうするつもりかなんて聞きたくなくて。