天使が舞い降りた。
美紀もそんな俺の様子を悟っていたんだと思う。
「許すわけないわよね。凛ちゃんはまだ高校生だし、何より相手の男が妻子持ちなんて」
「当たり前だよ」
「奥さんとは別れる、その覚悟があるって俊介くん言ったみたいだけど」
「それでも親からしたら許せないよ」
俺は大きな溜め息を付いて、病院の天井を見上げた。
「もう裕子も知ってるの?」
美紀は小さく首を振る。
「この間会ったけど何も。もちろんあの報道は知ってるだろうけど、裕子さん全然疑ってなかった」
「そう、か…」
「どうなるんだろう? これからー」