天使が舞い降りた。
「俊、裕子と別れてあの子と一緒になるって言っただろ? 言い方悪いけど、それは子どもができた勢いつーか。もちろん本気だったとは思うけど。こうなった今、お前はそれを選択できるの?」
「…」
「そうするなら俺も許せる。諦められたよ」
「…潤?」
俊介が俺の顔を見る。
「俊は凛も家庭も選べない。…と俺は思う」
「…」
「それは俊の純粋さでもワガママでもあるよな? 中途半端なことを続けるなら、俺はお前を許さない」
俺の言葉に俊介はゆっくりと顔を上げる。
「潤、お前…」
俊介がそう言いかけた時、俺は勢いよく椅子から立ち上がった。
「とにかく仕事中は集中しよう。お互いに」