天使が舞い降りた。
「流産して悲しかった。だけど少しだけホッとした自分がいるんです」
「凜ちゃん…」
「最低、です。だけど怖かった」
涙を堪えるように上を向いて話を続ける凛。
「俊介さんは今も奥さんと離婚して私と一緒になりたいって言ってくれてます。奥さんにきちんと話すって。だけど私が止めました」
「…」
「私が俊介さんと一緒になることは、1つの家族を壊すことなんですよね。…ふっとタクヤくんの笑顔が浮かんで」
俺は黙ったまま凛の言葉を聞く。
「俊介さんへの気持ちは変わらない。だけど悩んでます」
「…」
「このまま続けていいのか悩んでいます」