天使が舞い降りた。

「私、大丈夫ですよ? 歩いてでも帰れる距離だし」
 
凛が荷物も持って立ち上がる。

「それはダメ。俊くん、送ってあげて」
 
美紀のその言葉に、俊介はOKサインを出す。

「じゃあ、責任持って送りまーす。お邪魔しました、美紀ちゃん」

「うん、また来てね。凜ちゃんも」

「美紀ちゃん、メールするね。お邪魔しました、潤一さん」
 
笑顔で手を振る俊介と凛。


「ちょっ…」

俺は慌てて2人を呼び止めようとする。

だけど酔いのせいで力が抜けて、その場に座り込んでしまった。




「…何なの? 何でそんなに止めるわけ?」
 
美紀が少し不機嫌そうに言う。


< 33 / 195 >

この作品をシェア

pagetop