天使が舞い降りた。
「そんな心配することじゃないでしょ? 凛ちゃんは高校生なんだから」
「…」
「俊くんが手出すとでも思ってるの?」
「…そう」
「はぁ~~? 第一、俊くんには奥さんと子どもがいるんだからねっ」
「…」
「何か変な潤くん!」
美紀は呆れたようにキッチンへと向っていった。
俺は酔いを冷ますために、タバコを取り出してベランダへと出る。
まだ肌寒い春の風が頬に当たって、少しだけ冷静な気持ちになった。
…何であんな気持ちになったんだろう?
俊介があんな風に女の子に接するのはいつものこと。