天使が舞い降りた。

スタッフのその声に、俺は我に返る。


…気のせいだ。

だいたい「天使」って何?

いい歳して俺、バカみたいじゃん!

少し疲れているのかもしれないな。

そう自分に言い聞かして、オーディションを続ける。






「…ねえ! 潤ー、決まった?」

資料を前に悩んでいた俺の所へ、バンドのメンバーの俊介と賢治がやってきた。



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