天使が舞い降りた。

「でも紙切れ1枚でもさー、違うんじゃない? 特に女の子は」

「んー」

「美紀ちゃんは待ってるんじゃない? そろそろ決めちゃえよ、リーダー」

「…」
 
凛の話を切り出すつもりが、反対にからかわれてしまった俺。




賢治が楽屋を出て行くのを確認して、俺は俊介を呼び止めた。

「…酔った勢い、だよな?」

「え?」

「俺はあの夜のこと、見なかったことにする」
 
俊介はすぐに俺が言いたいことが分かったようだ。

「…何だよ。起きてたの?」

「キスくらいなら俺も見逃せるから」


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