天使が舞い降りた。

「キスまでですか」
 
困ったような顔で頭をポリポリと掻く俊介。

「って、もしかして! あの後なんか…!!」

「バーカ。ちゃんと送ったって! 何もないよ」
 
俊介の言葉に俺はホッと胸を撫で下ろす。

「今、大事な時期じゃんよ? しっかりしてくれよ、俊」

「…」

「あの子はまだ未成年なんだよ。それに結婚してるお前が応えてやる事なんてできない。傷つけるだけだろ?」

「…分かってるよ」
 
急にマジメな顔になった俊介。

「分かってるけど、止められなかった」


< 61 / 195 >

この作品をシェア

pagetop