天使が舞い降りた。
「?」
「家庭に不満があるわけじゃない。自分の立場も全部分かってる。だけど、だけど凛を目の前にするとダメなんだよ」
いつになく真剣な俊介の表情。
俺は戸惑いながらもその言葉を聞く。
「初めてオーディションで見た時に何か違うものを感じて。目が離せなくなった」
「…」
メールや会う度に、学生時代に戻ったような気持ちになってさ」
「俊…」
「どうしよう、潤」
俊介はうな垂れて俺のシャツを掴む。
「俺、あの子のこと。凛のこと、好きになっちまったー」