天使が舞い降りた。
花火開始は午後8時30分。
俺は携帯で時間を確認する。
「あと2分くらい」
「もうすぐだね」
子どもみたいな笑顔で空を見上げる美紀。
「何か、邪魔者かな。私たち」
俺たちの会話を聞いていた凛がニコニコしながら言う。
「いや、そんなことは…」
俺と美紀は少し赤くながらそう答える。
「そうだな、邪魔しちゃ悪いな。あっち行くか? 凛ちゃん、タクヤ」
俊介もニヤニヤしながら俺たちを見て、
2人を連れて少し離れた所へと歩いていく。
「あ、おい俊…」
そのほうが心配で花火に集中できないんだけど?