天使が舞い降りた。

「俊介さん…!」
 
凛が慌てて俊介の元へ寄り添う。

「止めろよ! 潤!!」

「潤一」
 
再び俊介を殴りかけた俺を、賢治と山村さんが止めた。

「そんくらいでいいだろ?」

賢治の辛そうな顔を見て、俺はようやく冷静になることができた。

拳の力がフッと抜け俺はその場に佇む。

そして凛の方を見つめた。
 
床に座ったまま項垂れる俊介の肩を、小さな手で押さえている。

彼女の目からは大粒の涙がこぼれていた。

何も言葉は発しないけど、18歳になったばかりの凛には重過ぎる現実。


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