君色


ねぇ、優。

元気なの?
あたしは元気だよ。

あたしね、ママになったんだょ。
優があたしをおいてっちゃったから。
あたし他の人のところに行っちゃうよ。

ずっと一緒かと思ってた。
あの日優が言った言葉。
「ありがとう」
あの言葉で優の声を聞くのが最後だった。
当たり前の言葉があのときのあたしには
すごく大事な言葉に聞こえたんだ。
あのときあたしはスキの2文字が言えなかった。
ごめんね。

優斗といた時間。
忘れない。
あたし寂しくないからね?
だって、空を見てると優とつながってるみたいなんだもん。

4年前の春、あたしは広瀬優に出会った。


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