不器用な彼と素直じゃない彼女
「では高校生活最後の
真っ暗闇な1年間に乾杯。」

乾杯と言っても
もちろんジュースだけど。


「お前真っ暗闇とか言うなよ。
俺に失礼だぞ。」

「ふぁんかふぃっふぁ?」
(なんか言った?)

既に彼女は口いっぱいに
ハンバーガーを食べていた。


「女子としてどーなのそれ。(笑」
思わず吹き出してしまった。


「女子なんて思ってないくせに
女子扱いするなよー。」
そう笑いながら
ひたすらハンバーガーを
食べる酒井さん。

女子と思ってないなんて
言ったっけ?
「別に女子じゃん?」

「まあ戸籍上はね。」

「は?」
何を言うんだこの小娘は。

「いや理系クラスにいると
男子だらけの世界に
慣れちゃうじゃんね。
イマイチ女子として
自覚なくなるっていうか…。」

「でも酒井さんは
普通に女子じゃない?
少なくとも外見は。(笑」

「まあどっちかと言えば
女子だわねー。」

「そうじゃなくてさ、
そこそこモテそうな
外見じゃない?」

「そこそこ、ね…。(笑
ありがと
誉め言葉として受け取るわ。」

「どういたしまして。」
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