不器用な彼と素直じゃない彼女
俺と彼女は
まだ一言も
言葉を交わすことなく
1ヶ月経った
修学旅行でのことだった。

修学旅行の夜…
まだ男女の仲がよろしくない
うちのクラスは
先生の約束を破ることなく
男子は男子で女子は女子で
それぞれ過ごしていた。

男15人ほどのむさ苦しい部屋。
一応修学旅行の夜とあって
こんなテーマがでた。

「うちのクラスの女子で
誰が1番可愛い?」

まーお約束です。
じゃんけんで負けた奴から
時計周りに1人ずつ言っていく。

「俺…高橋さんかな」

そう言ったのは
あのうるさいカップルの男だった。
は!?え!?
酒井さんと
付き合ってんじゃねーの?

「えっお前
酒井さんと付き合ってんじゃねーの?」

誰かが俺の心を読んだかのように
そう言った。
ナイス。

「誰が?俺が?ないない!
去年もクラス一緒だから仲いいだけ」

その言葉にほっとした俺がいた。
なんでかよくわからんけど。

「松下、お前は?」

気付けば
もう俺の番だった。

「…酒井さんかな」
気付いたらそう言ってた。
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