夜の公園で君に会う
「調子に乗ってんのはお前らじゃないのか?」

低く、冷たい声が響いた

「誰だ!!てめぇ、コイツの知り合いか!?」

「生憎、こんな馬鹿面な知り合いはいない」

バ、馬鹿面ですって!!

「けど…どうやらお前らのほうが馬鹿面らしい」

「こいつっ!!」

そりゃあ初対面の男に馬鹿面呼ばわりされれば、誰だって切れるだろう

でも生憎同情はしない

ってかする価値も無い

でも、折角助けに来てくれたらしいのに怪我をさせてしまうのは悪い

仕方ない、あんまし使いたくない手だけど…

「いい加減にしなさい。さあ、私の気が変わらないうちに消えなさい」

これは命令だ

男達は何かを言おうとするが、それを遮り続けた

「それでも消えないというのなら、私は…吉良丙(キラ ヒノエ)

吉良の名位聞いた事があるんじゃないの?」

僕の台詞を聞くや否や、男達は我先にと消えていった

全く、本当にくだらない

―パチパチパチ―

「何のつもり?」

目一杯の侮蔑を込めて言い放つと、男は叩いていた手を止め、肩をすくめ

「いや、噂に聴いてた大富豪の娘に会えたことに敬意を表してね」

低く、冷たい声だったが不思議と嫌な感じはしない

それどころか、冷たいはずの声がとても心地いい

でも、聞こえた言葉は僕にとっては地獄のような言葉だった

「だから?言っておくけど僕は……」

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