カミサン伝説20「ハッピー編」
お買い得な像
 「さあ、どうだい!

 ハッピーな像。

 触るだけで、ハッピーエンド!」

 「終わってどうすんだ!」

 「あんた、賢いなあ!

 間違えた。

 触るだけで、ハッピーバースディ!」

 「歳とるだけじゃねえか!」

 「いや、毎日が誕生日みたいなもんって奴さあ。
 どーう?」

 「インチキくせえなあ」

 「ダメか?」

 「それに、
 売ってるあんたが貧乏たらしいんだよ!
 いいか!
 第一、
 そんなハッピーな像を何で他人に売るんだい?
 俺は騙されねえよ!
 どうせインチキなモン売るなら、
もっとマシなの売れよ!」

 「いやー、実はねえ。
 ただで触ってハッピーになれるじゃないんだな。
 この像。
 ちょっと訳ありなんだよ」

 「そうやって騙そうっても無理無理」

 「あんたカミサン知ってるか?」

 「おい、バカにすんなよ。
 俺はこう見えても、3人もガキがいんの!」 

 「違うって!
 かみさんじゃなく、カミサン!」

 「あー、神様?」

 「うーん、
 カミサンは意外に知られてないんだなあ」

 「もういいって!
 騙そうたって、無理!
 諦めなって」
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