そばにいて





「江戸…時代??
何言ってんの……お母さんも私もそんなとこに居るわけ……。」



私は信じられなくて、枯れた声で笑いながら言った。






だけど、お母さんは顔色を変えることなく


「優奈、新撰組は知ってるわよね?
勇さんはその内の一人よ。」


と早口で言った。




(新撰組…っ!!)




確か小学生の時、歴史の自由課題で調べたことがある。




「……っ!!
まさか、あの写真の人!?」




私は見たんだった。




近藤勇という人の写真を。





私はすぐさま近藤さんに近づいて確かめた。





「間違い……ない。
あの写真と一緒の人だ……。」





私があまりにもマジマジと顔を見たものだから、近藤さんは顔を赤く染めた。




「あ、ごめんなさい!」




「い、いえ…………。」




私は否定できない現実を突き付けられてしまった。










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