そばにいて
「アハハ!
鬼の副長なんて言ったら優奈、貴女殺されるわよッ」
「まぁ、あながち間違いではないが……。」
お母さんも近藤さんも、爆笑していた。
「な、何もそんなに笑わなくても………!」
「ごめんごめん。
だけど優奈ちゃんが思ってるほどトシは恐いやつじゃないよ。」
プクーと頬を膨らませた私を
近藤さんはなだめるように言った。
「まぁ、確かに短気なところはあるがね。
本当は仲間想いの優しい奴だ。」
……ボソッ
「……嘘っぽい……。」
ゴンッ!!!!!
「いっっったぁーーっ!!!!!!!!!!」
優奈が頭を殴った奴のほうを振り返ると……
鬼の副長と一人の青年がいた。
「てめぇ………
俺様の悪口を言うとはいい度胸してんじゃねぇか………。」
鬼が優奈に迫る!!
その時、優奈の頭には
“この世には神も仏もいない。
いるのは…………
鬼だけ”
この言葉がグルグルと回っていた。