そばにいて
「……そろそろ戻りましょうか。」
穏やかな口調で玲奈は言った
「…うん……でも…。」
“もう少しだけ”
そう言おうと優奈が顔をあげた瞬間―――
母は消えていた。
いや、正確には
“顔だけがなかった”
どすっ………――
ナニカが落ちる音がした。
嫌な血の匂いがした。
母の頭はとんでいた。
「い……いやぁあぁぁあぁ!!!!!!!!」
優奈は顔のない母から離れた。
「あぁああぁああぁぁあぁあぁぁーーーー!!!!!!!」
どうして!?
どうして、お母さん!!?
一体誰がお母さんを…――
殺シタノ?
「―――…………優奈。」
「“久しぶり”」