そばにいて




「は、はい………。
何でしょうか……?」




そう答えると
その少し大柄な男は
近づいてきて言った。





「お前……俺のところにこい。」






「はっ?」




意味が分からないと
首をかしげてみるが、男には伝わらなかったらしく、手首をつかまれてしまった。






「ちょっ、やめてください!」





そう言ってみるが
男はそのまま連れていこうとする。





その傲慢な態度が頭にきたらしく、
優奈の顔は完璧に般若と化していた。





「…はなせって……言ってんだろーがぁーーー!!!!!」





素早く男の足に自分の足をからめ、
相手の体制を崩すと投げ落とした。




「なっ…………!!」




優奈のいきなりの行動に
男は目を見開いたまま、固まっていた。





しかし、しばらくすると
大声で笑い始めた。




いきなり笑い出した男に
優奈は若干距離をおく。




「いやー、女子でありながら
なんともあっぱれ!!
簡単にやられてしまった!」






わははっと笑いながら
立ち上がって砂をはらう。






優奈はその様子を
キョトンと見つめていた。










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