そばにいて
―――――…………
あり?
私、寝ちゃった??
……………………
ヤバッ!!!!
時計を見るともう、朝の8時。
「遅刻だぁあぁぁ!!」
ダッシュで身支度を整えると、誰もいない家に
「行ってきます。」
と言った。
(お父さん、昨日も帰って来なかったんだ………)
いつものことだけど、やっぱり涙が出そうになる。
(……行かなきゃ…っ……)
私は全力で学校まで走った。
ダッダッダッダ…………―――
ガララララッ!
「セーフ!!!」
「「遅い!!!!」」
満面の笑みの私に鋭く二人が突っ込んだ。
「それにしても、優奈が遅刻しそうになるなんて、珍しいこともあるもんだね。」
そう言って、雨降るかも、とつぶやくのは私の親友 春野 美羽(ハルノ ミユウ)
女の子らしくって男子からとても人気がある。
私が男だったら絶対に好きになっていただろう。
「ホント、ホント。
高山はしっかりしてるからなぁ……。」
御隠居のようなこいつは、佐山 颯太(サヤマ ソウタ)
私の幼なじみ。
コイツも何故かモテる。
私にはコイツのどこがいいのか全くわからないけど。
私達三人は剣道部にはいっている。
まだ、高校一年だけど、三人共けっこう強いよ。
しかも私は護身術もやっている。
まさか、護身術をやっていてよかったと、思う日が来るなんて―――
その時の私には想像すらできなかった。