そばにいて




振り向くと、あの美少年が立っていた。





「部屋で待ってなさい、と言ったでしょう!!
どうして、じっとしていられないのですか!??」




あ、やば。

めっちゃ怒ってる。



うん、なんて言い訳しよう。

でも、私待ってたよね?

なかなか来なかったのそっちだよね??





「だって、あなたがなかなかこないから……っ!」




「だからといって勝手に部屋を出ていいわけがないでしょう!」





うわ、ピシャリだよピシャリ。


ざっくり切り捨てたよこの人。




「あ……のさ、総司??
おとりこみ中悪いんだけど、このこは一体誰なの?」



藤堂は若干怯えながら尋ねた。





うぬ? 総司??

なーんかどっかで
聞いたことある名前だ。





「あ、平助。いたの?」





「……………………。」




総司さん、見かけによらず
なかなか酷いこと言うね………。





「あぁ、いたよいたよ、いたともさ!!
ところで沖田総司さん、このこは一体誰ですかっ?!」




藤堂はやけくそだった。



しかし、沖田はそんなこと
まるで気づいてないかねように振る舞う。




「うーんと……難しいですね。
何と言えばいいのでょう??」





困ったように沖田は優奈を見た。





「いや、私に聞かれましても………。」





優奈が答えたその時、
沖田は何かを思い出したように言った。





「………あ。このこは……玲奈さんの娘さんの高山優奈さん。
こう言えば分かる、平助?」





「え…………?」











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