そばにいて




「じゃあ、これで授業は終わりだ!
みんなちゃんと予習復習をしておくこと!」



はぁ〜、やっと部活だ!




「優奈ー、部活行こっ!」



「オッケー、ちょっと待ってて、すぐに用意するから。」



私は美羽にそう言うとカバンに荷物をつめこんだ。





フワリ……――――





(え…………?)



今は夏なのに、私のカバンの上に桜の花びらが乗っていた。




「おっかしぃな……?」




その花びらを見た瞬間、私はなんだか懐かしくなった。




(今まで、桜を見ても何とも思わなかったのになぁ……。)





「優奈?どうしたの?」



不思議そうに美羽が聞いた。





美羽に除かれて、私は反射的にその花びらを隠した。





「ううん、何でもない!
それじゃあ、部活行こっか!」




私がそう言って、花びらをカバンに入れようとした時―――――




「あ、桜じゃん!」




颯太に見つけられてしまった。




「え?桜!??
優奈、ちょっと見せて!」



美羽はそう言って私から桜の花びらを取り上げた。



「あ!返して!!!」



「いいじゃねぇーか、高山。ちょっとくらい。」





颯太は私の頭を撫でながら言った。








ダメっ……




その花びらは―――!!





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