そばにいて
…………―――――
「んっ…………。」
そっと目をあけてみると、目の前には桜の木があった。
(キレイ……………。)
手をかざすと、月が見える。
(あれ、もう夜なの………?)
回りを見渡してみると、道場でも普段見慣れた街の風景でもない―――
小さな通路の突き当たりで、私は寝ていた。
(ここは、一体どこ??)
寝ぼけて分からないだけかと思ったが、どうもそうではないようだ。
とりあえず、優奈はそこらへんを探索することにした。
(何だか、違う時代に来たみたい……。一瞬、撮影現場かと思ったけど、そうだとしたら本格的過ぎるしなぁ……。)
ドンっ!!
「痛っ!」
考えながら歩いていたため、人にぶつかってしまった。