たとえばあなたが



机に頬杖をついて、もう一度萌からのメールを読み返す。

気になったのは、

【⑧…千晶を気に入っている模様(私の勘!)】

という一文だ。

何を根拠に言っているのか知らないが、悪い気はしなかった。



食事に行った日にも感じた、不思議な親近感。

萌もたしか、小山の入社初日に同じようなことを言っていた。

小山には、人をそういう気持ちにさせる何かがあるのだろうか。



(……眠い……)



ぼんやりパソコンを眺めていたら、騒動がひと段落したせいか、急激な眠気が千晶を襲った。

まだ今から、今日の午後にやる予定だった仕事を片付けなければならないけれど、この睡魔には太刀打ちできそうにない。



(5分だけ…)



千晶は、ゆっくりとデスクに顔を伏せた。








< 143 / 446 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop