たとえばあなたが



女の子という生き物は、どうしてこうも敏感なのか。

妄想しすぎだと思うこともよくあるけれど、萌の直感はよく当たる。

でも、だからといって後ろめたいことなど何もなかった。



「いや別に…。あいつも萌ちゃんみたいに女の子らしくすればいいのにって思っただけだよ」



(俺、何で言い訳なんてしてんだろ)

崇文はなぜか真っ直ぐに萌の目を見ることができなかった。

3人でいるときは平気なのに、ふたりになったとたん、妙に照れくさくてたまらない。

萌は、そんな崇文をおもしろそうに眺めながら、マカロンの残りを口に入れた。



「崇文くんって、千晶のことが好きなの?」

「…!!」

今、飲み物を飲んでいたら、間違いなく噴き出していただろう。

「な…何を突然」

「突然って。私はずっと思ってたんだけど、違うの?」




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