たとえばあなたが
~♪♪~♪
静かな密室で鳴る着信メロディは、外にいるときよりもずっと音が大きく聞こえる。
崇文が携帯を開けると、そこには、
【CALLING!省吾】
と出ていた。
崇文は目を見張った。
省吾に中西刑事の周辺を調べろ、と言ってから1ヶ月以上。
これが初めての着信だった。
「省吾からだ」
と千晶に告げて、通話ボタンを押す。
電話をかけてくるということは、それなりの収穫があったと考えて間違いないだろう。
崇文は、心臓の鼓動が高鳴るのを感じていた。
「はい」
電話を耳に当てると、すぐに勢いの良い声が飛び込んできた。
『あっ省吾です!わかりました、わかりましたよ!』
崇文は息を呑んだ。