たとえばあなたが
通された狭い部屋に、真っ白な肌をますます白くさせた和子が横たわっていた。
ロウソクのほのかな灯りと線香の匂いが部屋を包んでいた。
「おばさん」
崇文が声を振り絞っても、和子は表情ひとつ変えなかった。
「おばさん、誰にやられたんだよ…!」
物言わぬ和子に震える声で問いかける崇文が痛々しく、和子の死という現実が千晶の胸を突き刺した。
ショックだった。
呼吸が荒くなって、苦しくなって、立っていられないほどだった。
胸を押さえてしゃがみ込む千晶に、崇文が椅子を持って来てくれた。
「ありがとう」
そのひと言を言うことでさえも精一杯の千晶が椅子に座ると、崇文ももうひとつの椅子に座って頭を抱えた。
なぜこんな事件が起こったのか。
もしかしたら、答えはもう、出ているのかもしれない…―