たとえばあなたが
崇文が写真を食い入るように見ていると、
「礼子の隣の男が、婚約者の松田」
と、中西が写真の男の顔を人差し指で突いた。
「松田?」
(小山じゃないのか…?)
「ああ、キミたちが嗅ぎまわってる事件の被害者の部下だったもんだから、疑われてさ」
「…部下…ですか」
ふうっと吐いたタバコの煙が、崇文の顔にかかった。
「どういうわけか姿をくらましたと思ったら、次に居場所がわかったときには死んでた」
「死んでた…?」
「他殺体で見つかったんだよ」
「えっ」
崇文は、息を呑んだ。
小山が、死んだ?
「こいつのこと疑ってたんだろ?でも残念なことに、こいつも被害者だったってことだ」
可哀相になぁ、と中西が呟いた。