たとえばあなたが
【萌です♪】
やほー朝早くにごめんね!
今日のお昼なんだけどさ、
萌家で鍋パーティでもしない?
携帯を見ると、崇文からの着信の30分ほど前に、たしかに萌からメールが届いていた。
眠りを妨げられるのが嫌でメールの受信音をサイレントに設定していて、気づかなかった。
(…鍋パーティ?)
あて先を見ると、崇文にも同時送信されている。
どうやら崇文は、これに行くかどうか悩んでいたようだ。
土曜日の昼間は、あの地下室に行くことになっている。
崇文も、それを気にしているのだろう。
とは言え崇文とふたりだけの約束なので、どうにでもなると言えばなるのだけれど…―
今日こそは先週のことを聞きだそうと思っていただけに、千晶はゴロゴロ寝返りをうちながら迷った。