たとえばあなたが
「お腹いっぱーい」
と言いながらも、萌は鍋を持って立ち上がった。
「やっぱりシメはラーメンよね!作ってくる!」
「俺持って行こうか?」
「大丈夫、くつろいでて」
重い鍋を抱えて、少しよろめきながら萌がキッチンへ行った。
やがてトントントン、と包丁の音が聞こえてきた。
長ネギを切っているようだ。
「…満腹で、ラーメン食べれないかも…」
「俺も」
千晶は崇文と目を合わせて、笑った。
「でもここは無理してでも食べないとね。萌ちゃんのご招待だし」
「ああ」
崇文がお腹をさすりながら苦笑いをした。