たとえばあなたが
しばらく刑事がメモを取っている間、部屋にはまた沈黙が訪れた。
空気が重い。
崇文はまた、辺りに視線を泳がせた。
外から、何となくざわついた様子が感じられる。
今、2階のあの子はどうしているんだろう…―
(寝てるとしたら、すげー神経だよな…)
そんなことを考えていると、
「えー…っと、崇文くん」
と、刑事が顔を上げた。
「はい」
「キミの話を要約すると、友達と会うために家を出たら、向かいのお宅が変だった、と」
刑事は、まっすぐに崇文の目を見て言った。
「はい」