たとえばあなたが
「どうした」
「あのっ…、2階にいた女の子が…!」
若い刑事が、玄関のほうを指差した。
そっちに行ったと言いたいらしい。
「…!」
鈴木刑事は反射的に立ち上がり、チッと舌打ちした。
「中西は?!」
「今、現場で女の子のそばにいます」
「…あいつ!」
鈴木刑事は、崇文たちに向かって素早く頭を下げると、若い刑事に案内されて走って出て行った。
「……」
大輔も朋美も、そして崇文も、一瞬の出来事を飲み込めずにポカンとしていた。
(2階の女の子って、あいつ、いつの間に…)
眠れるわけない、と思ってはいたけれど、まさかこの数の警察官の間をすり抜けて…―
「あっちの家に行ったってこと…?」