たとえばあなたが
銃なんて、一体どこで手に入れたのか。
やり切れない思いで、中西は奥歯を噛み締めた。
「ちょっとごめんよ」
中西は、ふたりの傍にしゃがんでいる警察官たちの間に分け入って、男の顔を改めて確認した。
「石田ぁ…。お前、なんでこんな…」
それ以上は何も言えなかった。
拳を強く握って、言葉にできない感情を押さえつける。
左腕にいとこを抱いた崇文の死に顔は、辺り一面に広がる血の光景に不似合いなほど、穏やかだった。
「中西さん、お知り合いなんですか」
後輩刑事が驚いている。
「…別に」
中西は、崇文の乱れた髪をぐしゃっと撫でて、立ち上がった。