たとえばあなたが



「お世話になります。リアル・アリスの木村です」

『はぁい、お世話になりまぁす。メール見てくれましたぁ?』

「はい、そのことでちょっと…」



話しながらパソコンの画面を見ていると、また新着メールのお知らせがパッと表示された。

携帯を左手に持ち替えて、用件を伝えながらメールを開く。

萌からの返信だった。



【RE:RE:業務連絡】

 たしかに顔、濃い!
 でもナゼか、会ったことないのに
 親近感がわくんだよね。
 …運命かも…♪♪



「…ぶっ!」

千晶は、【運命】の言葉に思わず吹き出した。

『はい?』

電話の向こうの礼子が、脈絡なく聞こえてきた声に不信感をあらわにしている。

「あ、すいません、なんでもないです」



(まずいまずい…)

萌の席に目をやると、萌がいたずらっ子のような顔で千晶を見ていた。




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