続・シンデレラLOVERS ~AFTER三ヶ月目のジンクス~
……最悪だ。
こんな虚しい夢見るって……どんだけ欲求不満だよ。
授業中の静けさから打って変わってバタバタと動き出す教室の中で自己嫌悪に陥る。
机の上で頭を抱えてたら、開きっぱなしの数学の教科書が涎で濡れてんのが見えた。
それが余計に情けない……。
日菜琉に迫られる夢を涎垂らしながら見るなんて……どんな顔して日菜琉に会えばイイんだよ。
ゴシゴシと制服の裾で口元を拭っていた俺を、
「あっ、もしかして居眠りしてた?」
カーキ色の見慣れた弁当袋を提げた日菜琉が覗き込むように見ていた。
サラサラと落ちる髪を反射的に目で追い、無意識に唇を見つめてしまう。
……小ぶりでプルプルとした可愛らしい唇。
何回もキスしてんのに飽きずに欲しがる俺が居るって知ったら……日菜琉は嫌がんのかな。
「善雅くん?」
「……えっ?」
「ぼーっとして……まだ寝ぼけてる?」
ぼんやりと唇を見つめてた俺を寝ぼけてるって勘違いしたのか。
日菜琉は俺の顔を見つめながらクスクスと笑顔を浮かべた。