続・シンデレラLOVERS ~AFTER三ヶ月目のジンクス~
日菜琉視点
「日菜琉!」
「えっ……?」
一年の教室が並ぶ階を抜け、人気の見えない図書室に続く細い廊下をゆっくりと歩いていた。
昼休みを静かに勉強したいっていう真面目な人くらいしか使わない図書室界隈は静まり返ってる。
そこにキンと響いたわたしの名前。
驚いて振り向いた先には息を切らせた善雅くんの姿があった。
「善雅く……」
「イキナリあんなコトしてごめん!」
わたしが慌てて名前を呼ぶより早く、駆け寄って来た善雅くんにギュッと抱きしめられながら謝られてしまった。
ピタリとくっついた体からはドクドクと脈打つ心臓の音と乱れた息遣いが聞こえて、急いで探しに来てくれたんだって実感させられる。
やっぱり善雅くんは優しい……。
「もう絶対に日菜に聞かずにあんなコトしないから……」
だから愛想尽かしたりするな。
切羽詰まった表情で言われた台詞に思わずビックリしてしまう。
あんなことで嫌いになったりするワケないのに……。
不安そうなその顔を見てたら、どれだけわたしを大切にしてくれてるかわかるよ。