続・シンデレラLOVERS ~AFTER三ヶ月目のジンクス~
俺の下で涙を流す日菜琉に慌てて胸元から手を離し、体を起こそうとして初めて気付いた。
日菜琉の右手がずっと俺の服の裾をギュッと握り締めていたことに……。
嫌がらないから大丈夫なんて思ってたけど、ホントは怖がってたんだな。
そんなのにも気付けないなんて、俺バカだ。
「日菜っ」
「ごめん……ごめんね」
泣き顔を両手で隠し、必死に謝る日菜琉に胸がどうしようもなく痛む。
「なんで謝るんだよっ」
「だって……わたし、善雅くんが好きだから、大丈夫って、言ったのに……ごめんね」
「謝るな……バカ」
泣きじゃくる日菜琉を起こして、震えてる体を力一杯抱き締めた。
俺のことを受け入れようとしてくれたことは痛いくらいわかる。
でも体と気持ちが追い付かないもどかしさで、日菜琉の涙はなかなか止まらない。
「……俺もごめん」
「えっ……?」
「日菜が震えてんのに気付かなかったから」
涙目に何度も唇で触れて華奢な背中を撫で続ける。
そんなことしたってチャラにはなんねぇけど、日菜琉の涙が完全に止まるまでずっとそうしていた。