続・シンデレラLOVERS ~AFTER三ヶ月目のジンクス~
日菜琉視点
胸に触れられただけで泣いてしまうなんて……不甲斐ない。
泣いたりしたら絶対に善雅くんが傷付いてしまうってわかってたのに。
わたしの意思に反して瞳からはポロポロと熱い雫が落ちてしまった。
そこにキスをくれて、ずっと背中を撫でてくれる善雅くんに申し訳なくて仕方ない。
「ごめんね」
ようやく気持ちも涙も落ち着いた頃。
第一声で謝ったわたしに善雅くんはチュッとキスを落とした。
……何度も何度も息継ぎが出来ないくらい。
唇が解放されて息を整えるわたしに、
「嫌になった?」
「へっ?」
「俺とするの」
顔を寄せて尋ねる声は元気が無くて、咄嗟に首を振って否定した。
そんなわたしの態度を見て善雅くんは安心したように笑ってくれたけど不安だった。
……善雅くんはもうわたしに触れてくれないんじゃないかって。
わたしが怖いのは最後まで抱かれてしまうことなんかじゃない。
善雅くんにもう触れて貰えなくなることだ。