続・シンデレラLOVERS ~AFTER三ヶ月目のジンクス~
「ヤリたく無い」
「ホントに?」
「しつけぇな! 日菜琉が泣くようなことはしないって決めたんだよっ」
ご飯の上に転がった卵焼きを箸に勢い良く突き刺し、正面の紘也を睨みつける。
日菜琉に好きだって言った瞬間から心に誓ったこと。
絶対に日菜琉を泣かせないって。
「でも善雅。日菜琉ちゃんみたいなウブな娘はなかなか体、許してくれないと思うよ」
それでも良いの?
顔を覗き込む紘也は窺うような眼差しを向けている。
「良いに決まってんだろ。俺は……」
日菜琉を他の誰にも取られたくない。
日菜琉が居てくれるなら、俺はいつまでだって待てる。
いつか日菜琉が俺に全てを許してくれる時まで。
「ふーん。善雅ってさ、実は恋に真面目な奴だよな」
「はぁ?」
「ていうか……ウブ?」
「何言ってんだよ」
「セックスの経験は豊富だけど、付き合うってことで言えばウブだなって」
クスクスと笑い出した紘也を呆然と見つめてる俺に言われた言葉。
“案外お似合いだな、おまえたちって”
それが妙に嬉しいって感じるなんて、こっぱずかしくて言えない。