続・シンデレラLOVERS ~AFTER三ヶ月目のジンクス~
日菜琉の誕生日が迫る程に不甲斐無い自分が露見する。
それは日菜琉の好きなモノがわからないだけじゃない。
放課後になり、ようやく日菜琉と二人きりの時間が過ごせる。
今日は前から言ってたDVDを俺の部屋で観ることになったけど、
「なぁ」
「えっ? どうしたの?」
「何かあったのか?」
「……どうして」
「元気ねぇし、なんか」
実習で作ったアップルパイを俺が口にする間、ずっと日菜琉はぼんやりしていた。
いつもなら美味いって言ったら嬉しそうに笑う癖に……。
立ち上がってさっきからろくに目も合わない日菜琉の傍に行く。
「相沢に余計なこと言われたんだろ、どうせ」
「ち、違うよー」
「なら良いけど」
座っていた日菜琉を後ろからギュッと腕の中に抱きしめた。
小さな日菜琉の手に指を絡め、甘い匂いの髪に顔を埋める。
柔らかい日菜琉の体の感触が、俺の理性を突き上げてくる。
紘也には啖呵切ってああ言ったけど。
ホントは日菜琉を抱きたい。
触れる度にそう感じてしまう。
そしたらもっと強く、日菜琉と繋がってられる気がするから。