続・シンデレラLOVERS ~AFTER三ヶ月目のジンクス~
彼氏の想いと彼女の不安
「バイトの代理?」
「どうしても行けなくてさ。一週間だけ頼むよ」
家に帰って来るなり珍しく俺の部屋に現れた兄貴が、こう言ってコンビニの袋を差し出してきた。
中には俺のお気に入りのいちごミルク味のプリンが5個も入ってる。
……どうしても外せない頼み事の時は決まってこれだ。
「兄貴のバイトって……家庭教師だろ。絶対イヤ」
「そう言うなって。プリンやんねぇぞ?」
「さっき日菜琉のアップルパイ食べたからいらねぇし」
「日菜琉日菜琉って。おまえ二言目には日菜琉ちゃんだな」
好きなんだから仕方ないだろっ。
なんて俺が二の句を継ごうとしたより早く、何かを思い付いた兄貴がにっと歯を見せ、
「そう言えばさ、日菜琉ちゃん誕生日って言ってたよな?」
一昨日した日菜琉の誕生日の話を持ち出してきた。
家庭教師のバイトと日菜琉の誕生日に何の関係があるんだか……。
脈絡の無い切り返しに頭を捻った。