続・シンデレラLOVERS ~AFTER三ヶ月目のジンクス~
「プレゼント何にするか迷ってんだろ? だったらバイト代全部やるから軍資金にしろよ」
「…………」
軍資金も何も肝心なプレゼントが決まってなけりゃどうしようもない。
ここ最近ずっと頭の中に渦巻いてるモヤモヤを兄貴の言葉が更に増幅させる。
「好きだ好きだって囁きながら抱きしめるだけが恋人じゃないんだよ、善雅くん」
「はぁ?」
「心が繋がってるから大丈夫……なんて幻想だからな。結局は目に見える証が欲しいんだって。女の子は」
小憎らしい口調で饒舌に御託を並べる兄貴が、すっと指を伸ばした先。
「指……?」
「バカッ。やくざじゃあるまいしそんなのいらねぇよ」
「だったら勿体振ってないで言え」
俺の指の付け根を指差す兄貴が付け加えた“そんなだから女心がわかんねんだ”って呟きに一発殴っとく。
男なんだから仕方ねぇだろ。
大事に想う相手だと失敗したくないって気持ちが先行して余計空回ってるし。