続・シンデレラLOVERS ~AFTER三ヶ月目のジンクス~
「日菜から貰えるならチョコレートの包み紙だって喜ぶんじゃない? 有宮くんなら」
こう言ってチョコレートをわたしの口にぽいっと放り込み、芹華ちゃんが綺麗に微笑んだ。
「もう芹華ちゃんったら……」
「だって。俺はチョコより日菜琉が良い、とか言ってかぶりつきそうじゃない。有宮くん」
「そ、そんなことしないよ! 善雅くんは優しいよ」
訴えかけるわたしを一瞥した芹華ちゃんは一度視線を伏せた後、
「……見せ掛けだったらどうする?」
「えっ……」
「優しいのは日菜に体を許させる為のフェイクだったら?」
いつになく真剣な顔をした芹華ちゃんがじっとわたしを見据えていた。
口の中に広がった甘いチョコレートの香りとは裏腹に、頭に引っ掛かる不安がじわっと増していく。
「そんなこと……」
絶対無いよ。
言い切りたいのに喉が詰まってうまく声が出なかった……。