続・シンデレラLOVERS ~AFTER三ヶ月目のジンクス~
日菜琉視点
帰り道。
いつもみたいに善雅くんと手を繋ぎながら歩いてた時。
「悪いっ。今日兄貴から用事で頼まれてんだ」
申し訳なさそうな顔をした善雅くんの手がゆっくりと離れてく。
途端。
今まで包まれてた手のひらの体温は、冷たい風に持っていかれてしまった。
それが今はなんだか無性に寂しくて……。
用事だから仕方ないのに、こんなことくらいで寂しい顔なんてしちゃダメだ。
「……そっか。じゃあ、また明日ね」
出来る限りの自然な笑顔で手を振るわたしをちょっとだけ不安そうに見つめ、
「気をつけて帰れよ」
小さく笑って頬を指先でサラリと撫でる。
そうやって笑った顔も、撫でてくれた指の感触も全部優しくてくすぐったい。
こんな些細なことが嬉しくて、もっと好きになってしまう。
でも今はそれがちょっと怖いって感じ始めてる……。
こんなに好きなのに、いつか心が離れちゃうかもしれない不安。
道の先で小さくなっていく後ろ姿に、わたしはそんなことを思っていた。