続・シンデレラLOVERS ~AFTER三ヶ月目のジンクス~
近付いた日菜琉と首元のマフラーから柔らかい匂いがする。
最近不安にばっかりさせてんのに……日菜琉は変わらずに優しい。
……やっぱり俺、日菜琉が好きだ。
日菜琉の優しさが巻いてくれたマフラーから伝わるみたいで心地好い。
「あのね善雅くん」
「んっ?」
「昨日……一緒に居た女の子、誰?
日菜琉のマフラーで安心感を感じてる目の前で、俺を見上げる日菜琉の目は大きく揺れている。
一瞬、何を言われてるのかわからなかった。
目を見開いて見つめ返す俺に、
「本屋さんの近くで見たんだ。学校の帰りに」
ポツポツと呟く日菜琉の視線がゆっくりと伏せられていく。
秋奈と参考書を買いに行ったとき、一緒に居たのを見られてたらしい。
まずい。
日菜琉に不安を与えない為に、良かれと思って黙っていたことが完全に裏目に出てしまった。