続・シンデレラLOVERS ~AFTER三ヶ月目のジンクス~
紘也みたいに冗談ってわかってるならまだ良い。
目の前で口説くってなら殴っても辞めさせてやる。
一番嫌なのは……、
「今回の奴もまた、誠実そうな奴だな」
「…………」
俺の見えないところで、俺の知らない男に色目を使われてること。
昼飯の後。
裏庭に呼び出された日菜琉を廊下の窓越しに見つめながら、さっきから不安とイライラが止まらない。
日菜琉を呼び出す奴はみんな真面目で誠実そうな男ばっかりで……。
相沢が言う通り。
純真な日菜琉に似合ってる。
……ムカつく程に。
散々女遊びに興じてた過去の自分が、こんなに恨めしくて仕方ない瞬間なんて無い。
こんな日が来るなんて夢にも思わなかった。
誰にも感じたことが無いくらい、日菜琉が好きで大切。
だから人を好きになって知る痛みは、相手を愛おしく想う程強く……やりきれない。
あの頃。
静葉の目の前で日菜琉を切り捨てたことが不意に頭を過ぎった。
きっと今の俺なんかよりずっと、日菜琉の方が痛かったはずだ……。