続・シンデレラLOVERS ~AFTER三ヶ月目のジンクス~
走り去っていく日菜琉を不思議そうに見つめる秋奈からマフラーを取り上げる。
「あっ、先輩」
「人の彼女に偉そうに評価付けてんじゃねぇよ、何様だクソガキっ」
睨みつける俺をキョトンとした顔で見てる秋奈が、ムッと唇を尖らせる。
「なによっ! 顔に物言わせて女遊びしてた癖に、今更本気の恋なんて無理に決まってんじゃない!」
結局そうやって。
女遊びしてたって表面上の出来事でしか判断しようとしない。
けど日菜琉は一度だってそれをしようとはしなかった。
目の前で切り捨てて、静葉を選んだ俺さえも責めなかった。
”これでもう善雅くんは、善雅くんの好きな人とだけ愛し合えるね”
散々傷付けて来た俺にこう言って日菜琉が笑ってくれたから……。
俺は救われた。
日菜琉に惹かれたんだ。
……釣り合わないなんて、俺が言われるべきセリフだ。
ゴチャゴチャと喚いてる秋奈に背中を向け、マフラーを握り締めて日菜琉の後を追い掛けた。