続・シンデレラLOVERS ~AFTER三ヶ月目のジンクス~
日菜琉視点
“全然釣り合ってないじゃん”
善雅くんにあげたカーキ色のマフラーを着けた女の子は、わたしを見るなりこう言って笑っていた。
胸がズキズキと痛んで、目の奥から涙が滲み始める。
これ以上居たら泣いてしまいそうで、
「日菜琉っ!」
善雅くんの声も振り切って来た道を走って戻っていった。
釣り合わない。
そんなのわたしが一番わかってるよっ。
それでも好きだから……好きで居てくれるから。
だから幸せだったのに……。
今はそんな善雅くんの心すら遠い。
不安に駆り立てられて。
嫉妬しそうな気持ちに蓋をして。
全部隠して笑顔を浮かべることがもう、苦しくて堪らないよ……。
溢れた涙を伝う頬が冬の風に晒されて冷たくなっていく。
……やっぱり善雅くんは追い掛けて来てはくれないんだね。
静葉さんを選んだ時と同じだ。
立ち止まって振り返った後ろにはただの暗い夜道だけがあった。